RPGの料理レシピや食文化。階級と食べ物の謎!?ぼんごれ教授の(妄想)料理学1 RPG考察part6

ぼんごれ

RPGの世界の住人は、いったいどんな料理や食べ物、飲み物を摂ってるのか。
これは誰もが非常に気になるところだと思うんだ。
エデンでも様々な料理があるし、どれもおいしそうで食べてみたい。

samu_classroom
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レシピは無限大。しかもゲームごとに架空の素材があり、
架空の見慣れぬレシピがある。いちいち説明してはきりがない。
だからRPGの元になってる中世ヨーロッパの料理や食べ物に関する、
一般的に知られてないことやゲーム内で省略されてることの補足でも書こう。
ウィキペ見りゃ大体書いてあるけどさw。そこを俺なりに解釈して記事にしてみよう。

ヨーロッパの中世は、5世紀から16世紀(今は21世紀)の間のこと。
その当時のレシピや調理法、食文化、食習慣、宗教、階級などから、
RPGゲームの食生活をイメージしてみよう。

1、中世ヨーロッパの食習慣

中世の食事は、昼と晩の1日2回が普通で、間食は労働者階級や病人、子供
などが主に摂っていた。上流階級は間食を摂らないのがステータスだったらしい。
アメリカでは今でも痩せてることが上流階級のステータスだね。

ゲーム中では省かれているが、町に教会があるということは住民の生活と宗教が
密接に関わっていたはず。
その宗教(キリスト教)には断食があり、断食明けの朝に何か食べることは、
上流階級や教会関係者らは特に避けたんだ。
(そこを隠れて食べることが密かな楽しみだったと思う。俺ならそうするw。)

他にも贅沢な晩餐や夜食、泥酔、賭博、暴言など、町が乱れるようなことは
上流階級と言えども、教会の力で罰せられてたらしい。
日本と違い、様々なことに制限があった中世ヨーロッパは、今も昔も階級社会だ。
その理由の一つに教会が深く関係していたことは、誰の目にも明らかだ。
ゲームの中じゃ何一つ語られてないけどねw。
ヨーロッパと宗教は切っても切り離せない話だからね。

すべての料理は加熱調理が当たり前で、コンロがない中世は直火で調理していた。
オーブンはパン屋か大家族にしかなく、設備費や燃料の薪代もかさんで
家計の痛手となるから一般的ではなかった。

オーブンの代わりに一般庶民の家にあったのが炉辺(ろばた・囲炉裏のようなもの)で、
貧困層以外の普通の家庭には必ずあった。
食堂の一角に炉辺があり、一体化していた。その為に食堂に煙やにおいが充満して、
火事の心配や騒がしい食堂が嫌われて、中世後期には炉辺は別棟に移された。

この頃の人気レシピはポタージュやシチュウなどの煮物料理で、小鍋型のシチュウポットで
少量の薪を効率よく使える他、煮汁も無駄にしない調理法だからだ。
上流階級の食卓には肉、魚、卵、果実を調理に取り入れた、魚のパイが料理本に載り、
そのレシピはイチジク、レーズン、リンゴ、セイヨウナシ、プルーンと魚(タラやサケ)を
パイ皮で包んで焼いた料理を食べていた。
このレシピの凄いところは、現代の栄養学で見てもバランスが取れていて栄養満点だった。

15世紀にはパイ生地を使った生地も食べられるパイ料理が出てきてたが、
その前のパイといえば硬く、生地は食べずに召使に与えていた。
また、14世紀後期には卵白を使った透明なゼリーが現れて、
初期のレシピは料理人のメモ書きから、次第に詳細が書かれた指南書へと変わっていった。

1-a、料理と食材の属性

魔法の属性と同様に、料理や食材にも属性があると考えられていた。
属性の成分は、熱気の『熱』、湿気の『湿』、乾燥の『乾』、冷気の『冷』の4つ。
熱いか冷たいか。そして乾いてるか湿気があるかが、
当時の食事療法として上流階級を中心に、健康の考え方として広まった。

食べ物の属性
魚は冷・湿性だから焼くか揚げて調理すべき。
牛肉は熱・乾性なので水を加えて煮るべき。
豚肉は熱・湿性だから火に炙るか焼くべき。
卵黄は温・湿性。卵白は冷・湿性。
果実は湿性。

飲み物の属性
赤ワインは熱・乾性。
白ワインは赤ワインよりも冷性。
水やビールは冷・湿性。
ミルクは温湿性。

その他の属性
スパイスは熱・乾性。
人間は温・湿性。

この考え方は中世も含めて上流階級の西洋医学に大きな影響を残した。
そして、この属性から逆算して、栄養の吸収しやすさから、
料理食材を食べる順番も決まっていった。

理想的な順番は、
1、果実
2、野菜やハーブ、果実と動物の仔の柔らかい肉で作ったポタージュやブイヨン。
3、豚や牛のメインの肉料理。
4、野菜やセイヨウナシなどあっさりしたもの。
5、クリなどの消化が遅いもの。
6、熟成したチーズ
7、消化を助けるもので終わり。

これが医師から勧められた上流階級の食事だった。
良く考えれば現在のコース料理のように、
1、果実から作られた食前酒。(食欲を高める)
2、野菜のスープ。(あっさり)
3、メインの肉。(がっつり)
4、あっさり
5、がっつり。
6、がっつり。
7、あっさり。で終わってる。
東洋でいう医食同源というか、これが中世当時の料理の正しい順番が
今でもコース料理として残ってる。これは面白い。

2、中世の台所

一般的には穀物と野菜がメインで、肉類は高級品の為に庶民の口には入らなかった。
魚介類はタラやニシンが代表的で、その他海水淡水に関わらず調理された。
スペイン語圏やポルトガル語圏、イタリア、フランス、北欧諸国でも
タラを塩漬けにして干した、『バカラオ』と呼ばれる塩ダラの干物が今でも食卓に上る。
←バカラオ的な物

庶民の飲み物はビールに似たエール(Ale)が代表的。(エデンにもあるね)
中世ヨーロッパでも国によって多少の違いはあっても、このような物を飲み食いしていた。
ワインは修道院などでも作っていたが、高価なために特産品として売り物に出されていた。
←イギリスエール

ただ、上流階級はというとこの限りではない。
貴族や支配階級は豚や鶏の肉食を許されていたが、輸送方法や保存方法が未発達で、
防腐剤となるハーブや香辛料を求めて、はるばる海を渡って遠いアフリカや
アジアまで行き、高い輸送コストをかけてでも異国の香りを感じる輸入品を好んで食していた。
中世ヨーロッパではスパイスや香辛料がぜいたく品で、特に黒コショウ、シナモン、
クミン、ナツメグ、ショウガ、クローブなどが取引された。

その中で最も、最も高価で価値があるとされたのは、甘く豊かな芳醇な香りを放ち、
魚介類によく合う黄色い色が特徴のサフランなんだ。
←サフラン

サフランはアヤメ科の多年草で、そのめしべだけを乾燥させた、地中海原産の香辛料。
サフラン自体は赤い色をしているが、水に浸すと鮮やかな黄色を放つ。
この見事な黄色が古代ギリシャでは王族だけが使うことを許された色、
ロイヤルカラーなんだ。

サフランをたったの1g集めるためには160個ほどの花が必要で、
その為に大変な思いして育ててもちょっとしか収穫できない。
だから今でも超高級品なんだよね。
サフランをターメリックなどで代用しようとしても香りが段違い。全然ダメ。
実は、薬用サフランの球根を育てれば代用できるらしい。(俺はやったことない)
パエリアやリゾット、ドリア、ブイヤベースなどの南欧料理が好きな人は是非チャレンジ!!

↑お手軽簡単パエリアの素!

食材の保存方法が未発達ということは、新鮮な食材を何らかの方法で
保存可能な状態にする必要がある。
香辛料が使えない生乳はチーズやバターミルクに。果実や穀物はアルコール飲料に。
肉は塩漬けや燻製に。他、酸味の効いたピクルスや甘い砂糖漬けなどに加工して保存した。

3、穀物・主食

ヨーロッパで小麦が本格的に栽培され始めたのは、15世紀。
それでも小麦は高価だったため、庶民はライムギやソバ、オオムギ、キビ、エンバクなどの
穀物をお粥(おかゆ)にして主に食べていた。

イースト菌で発酵させたパンは、南欧の小麦の産地から一般的になり、
次第にヨーロッパ全土に広がったが、それでも高級品だった。
ただ、今でも見られる白い小麦粉(精白小麦粉)は上流階級専用で、
階級が下がるにつれて白くなくなり、粒は荒く、ふすま(糠)が入ったパンを食べていた。
日頃食べている米は高価な輸入品で、中世末期の北イタリアでようやく栽培され始めた。

品質はいろいろ違えども、パンが主食なため、パン職人は町の重要な役割を担い、
パン職人ギルドが他のギルドよりも初期に作られた。
パンのサイズや重量、価格が法律によって決められて、パン職人の地位は大きく高まった。
その為、住民から信頼されているパン職人が詐欺や悪事を働くと、重大な罰が与えられた。

現代でも重量水増しや産地偽装など、食べ物関係の事件が度々明るみに出るが、
当時の中世じゃもっともっと酷い罰があったに違いないだろうね。
それだけパン食が命で生命線だったってことなんだろうけど。やっぱり信頼が命。

パン職人の朝は早い。
今でもパン屋さんでパンの耳を格安で分けてくれるお店があるが、
当時の罰則が厳しいために、それから回避できるよう、既定の価格よりもさらにおまけとして
もう少しパンを足して売る『パン屋の1ダース』という単位が使われだした。

また、パンは食べるだけでなく、富裕層では硬いパンをわざわざ焼いて古くなるのを待ち、
トレンチャーという皿として使われた。
食事が済むと残ったソースをトレンチャーにかけて食べたり、貧しい人に施しものとして
与えていたが、後に金属製や木製の皿に変わっていった。

俺のお気に入りの楽しそうに作業するパン職人の動画。

もうたまらんぞ!大好きだし癖になる動画だー!
←プロ用のパン作りの技術書


ま、ウィキペにある文章を俺なりに解釈して記事にしてみました。
昔の古いレシピも興味あるけど、それを書いてもね、あまり意味は無いと思うから
知ってるようで知らないことを書いてみました。
つまらない人には退屈でブラウザバックしたり、
もっと知りたい人は直接ウィキペ行ったほうがいいかも。

レシピなんてさ、幾ら書いても書ききれないんだよ。無限なんだから。
なので、書きたいけど仕方なく、こういうのを書いてみました。
RPGは好きだけど、こういうことは知らない。
でも知りたいって人は多いんじゃないかな。俺もそうなんだ。

ここまで見てくださり、ありがとうございます。
お疲れ様でした。→次回へ続く・・・
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Posted byぼんごれ

Comments 2

There are no comments yet.
玉の緒  
ご馳走さまでした

面白かったです。
知らないことがいっぱいあって。
実際の中世ヨーロッパは、中々住みづらいでしょうけど、ゲームとして楽しむのはロマンがありますね。

そうそう食べちゃいましたが、ぼんごれさんおすすめのブランデーケーキも作ってみましたよ。
まだまだ色々作ってみたいです。

2015/05/22 (Fri) 23:05 | EDIT | REPLY |   
ぼんごれ  
RPGはロマンです。

玉の緒さんこんばんは。

西洋の中世は暗黒の時代とか言われてますけど、
だからこそ知りたい。見てみたい。感じてみたいと思うんです。

日本とは何もかもが違うあの頃、民衆の暮らしはどうだったのか。
何を食べて何を飲んで生きていたのか。
そういうのはRPGの世界の時代背景というか、ゲームの背骨だと思うんです。
RPGゲームの骨格ですね。

それをほとんどの人が知らないし、別に知ったからと言って
どうということもないけど、俺は知りたい!。

スカイリムとかドラクエとか中世の西洋をイメージしたRPGをプレイするときに、
こういう雑学ですね。RPG雑学をちょっとでも知ってると、
ゲームがもっと面白くなると思うんです。

宿屋のおやじが何喰ってたとか、酒場で隣にいる飲んだくれは何を飲んでるのかとか。
町の首長の食事メニューは豪華なのかとか。

そういうちょっとしたのが知りたいですね。

コメントありがとうございます。

2015/05/23 (Sat) 00:53 | EDIT | REPLY |   

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